CALL環境の紹介

学生の皆さんへ


言語学習の科学的知見と有効性が実証された学習指導実践手法にもとづき、本学のCALL(computer-assisted language learning, コンピュータ支援言語学習)環境を設計し、皆さんに提供しています。

外国語を学ぶ際に有効である学習手段が3種類あります。

(1) 自律型学習

自律型学習とは自分一人で学ぶことです。単語・慣用句を覚える、文章を読む、動画を見る、といった行為は一人でも可能です。
音楽であれば音階・運指の練習、体育であれば筋力や持久力の強化に相当します。自律型学習は好きな時間・場所でできます。自分の理解が深まれば次の課題に取り組めるので時間効率が良いです。

(2) 対話型学習

自律型学習とは他人とともに学ぶことです。会話する、質疑を発し応答する、協働する、といった行為は級友やコーチとともに可能です。
音楽であれば合奏の練習、体育であれば競技に相当します。対話型学習は、同じ時間・場所に仲間といると意思疎通が迅速で効率が良いです。

(3) 測定と評価

学習成果の測定と評価とは、何を学んだかを知り、次に学ぶ目標を設定することです。できる・できないを自己診断したり、クイズや試験で能力を測ったりすると、自信を高めたり、意欲を発奮したりできます。音楽であれば演奏、体育であれば試合に相当します。測定・評価は小刻みに反復すると学習計画を立てやすく効率が良いです。


これら3種類の学習手段を実現するためにCALL環境があります。

本学の授業は、自律型学習が主体の科目と、自律型学習と対話型学習が混合した科目とがあります。
対話型学習だけの科目はありません(すべての科目において自分で予習・復習・練習する側面があります)。コンピュータを用いた単独学習は自律型学習とその測定と評価に有利で、教員やTA (teaching assistant, 指導を支援する大学院生)による対面学習は対話型学習とその測定と評価に有利です。
自律型学習が主体の科目はもちろん、自律型学習と対話型学習が混合した科目においてもCALL環境を用いると効率が良いです。

CALL教室に入ると、パソコンやヘッドセット(ヘッドホンとマイクロホンが一体化した器具)が目に入ります。
これらの機材で使う学習ソフトウェアがCALL環境の核心です。皆さんの目標に合わせて本学スタッフが制作した課題が主体で、皆さんの興味の変化や科学的知見の進歩に応じて課題を設計・改良・更新・廃止し続けています。手前味噌ですが、本学のCALL環境が高水準である証拠は、本学で発案された学習方法の一部が他学にも採用されている事実にも示されています。皆さんの指導にスタッフ一同が責任と誇りをいだいています。

CALL教室は4つあります。授業中はもちろん、自習中も、級友やスタッフとの会話や、発音・発話課題のための発声は大歓迎です。
音楽室で演奏するように、体育館で運動するように、CALL教室で話します。対話型学習はもとより、自律型学習ですら常に一人で黙って勉強する行為ではありません。

平日の日中と放課後、ならびに休日に自習時間を設けています。教室の場所、授業と自習の日時はhttps://www.cll.hokudai.ac.jp/ をごらんください。

皆さんの北大です。皆さんのCALL環境です。皆さんの能力を高めてください。

教職員の皆さんへ


全学教育における言語学習のためにCALL環境を整えております。現在の環境は2019年9月に更改しました。
情報処理学習の環境との大きな違いは、言語学習に特化した自律型・対話型・能動型学習機能などを備えている点、ならびに情報処理学習に必要なプログラミング言語の学習機能を省いている点です。

CALL教室は4つあります(それぞれ定員60名)。予習・復習を容易にするために平日日中に自習時間を設け、一部の教室を夜間・休日も開放しています。ネットワーク障害時にも学習を継続できるよう、教材を配信するための専用サーバ群をCALL教室に直結しています。
4教室のうち2教室は連携して授業できるので1人の教員が2教室を同時に指導できます。
4教室のうち1教室は立ち歩き空間があるので身体言語を含む全身行動を指導でき、操作卓から3種の映像を学生卓に送出できるのでパソコン操作実演・動画視聴・課題応答などを同時に提示できます。

施設見学・機能解説を希望される方はCALLチームまでお問い合わせください。
メールアドレスはcall[at]cll.hokudai.ac.jpです。[at]を@に変えてください。

皆様のご利用をお待ち申し上げております。

2019年9月5日 北海道大学外国語教育センター 教授 河合 剛